たたらの最後の工程が大鍛冶での鍛打でつくる小割鉄の生産である。炉から回して来た銑 鉄、歩鉧(鋼の塊で成分が不安定)のうち銑鉄は含む炭素分が多く均一でないので先ず左下場に回し、左下職人が小炭(消炭)の上にのせ、吹差吹子(箱吹子) で温度を調節し、溶ける直前まで熱して、冷ましてから本場(鍛打の場)に回す。本場では作業長の大工の先導で金床に向う4人の手子が。左下鉄に歩を加えて 重い鎚で鍛え、長さ60、幅4~5、厚さ1センチ位の小割鉄をつくる。これを菰で梱包し縄をかけて出荷するが小鍛治はこれを買って鍬、鎌、なたなどをつくる。な お金床などの注文があれば30貫、40貫の製品などにして注文に応じて造った。

 


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たたら研究会員・郷土史研究家 影山 猛 氏